さつま芋の出荷


サツマイモの出荷が続いてます。我家の子供が幼い頃、サツマイモが大好きなので6代目が孫のために地元の藤田種苗店に大量に苗を注文した年がありました。ベニアズマ・金時の2種類でした。作業が混んでいたために例年より遅い定植期の5月末に定植してその年は降水量が少なかったので芋は大きくなりませんでしたが、それまでにない糖度になりました。

寒冷地である新潟県で熱帯植物である大量のサツマイモを冬季まで保存販売することは不可能とされていた頃です。もちろん専用施設があれば話は別ですが、その時代に個人農家が専用施設を保有していることはありません。

 

誰もやらないことをしなければ野菜専業の百姓は生業として残れない…と考えて4年間試行錯誤して安い保存方法を考えました。毎日夜中2時と朝7時に起きて薪ストーブに薪をくべた年もありました。そんなことを繰り返しているうちに、スーパーに出荷している知人の農家に「どんな方法でサツマイモを保存しているのか教えて欲しい」と何回も質問されるようになりましたが「自分で何年も苦労して考えたことなので勘弁してください」と教えることは断り続けています。

皆さん農家であっても専門は稲作なので、野菜の性質と保存について自身で考えることは無いようでした。今では一般的に流通している安納芋ですが10年くらい前は、苗はおろか生芋や種芋すら入手できませんでしたので、種子島から生芋を仕入れて苗を育て栽培しましたが「安納芋」の認知度が無く、皮色が薄いので見た目が劣り販売に苦労しました。

べにはるか・べにまさり、などが認知されなかった頃、新品種として試験栽培され、一部農家が販売していた生芋を県外でなんとか入手して栽培して農協主催の農業祭りでポップを立てて安く並べましたが、ベニアズマ・金時に比べて半分にも満たない販売量でした。農協職員に「これからは、安納芋とベニハルカが主軸になるよ」と説明して売れ残りのサツマイモを渡してから10年近く経ちました。現在では、べにはるか・安納芋は一番売れるようになりました。

サツマイモの自家苗を売ってほしいと、種屋に苗を売ったこともありましたが1本15円~20円の売値では苦労して種芋を探し出した当時を思い出すと納得できず、翌年からは苗販売はやめました。

本当に良い野菜の種や苗を手に入れるには、自分の足で稼ぐことです。我家のサツマイモはすべて自家採種自家育苗で10年が経過しています。毎年の選抜は経験が必要です。種も苗も仕入れて育てるのは単なる農家でしかありません。我家は江戸時代から続く嘘偽りの無い歴史を持つ野菜専門の百姓なのです。農家と違って、百姓とは種を採り育て野菜を売り、それを代々繰り返して受け継ぎ確たる伝統をつくり守っている者をいうと思うのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.