春の信濃川の恵み


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食べごろのコゴメ(こごみ)太いほうがやわらかい。

草食恐竜の好物だったに違いない。食べればわかる。 このコゴミ、雪国の百姓にとっては、春の貧困期に飢えをしのぐ大切な食料だったと思うのだ。 映画「たそがれ清兵衛」の中で、真田広之演じるボロ服の清兵衛と、折り目も見えそうな服の幼友達が春の川で川魚を釣っているシーンがある。 遠くに残雪が見えそうな山々が連なる川で2人が釣りをしていると上流から百姓の子供の死体が腐臭を放ちながら流れてくるのだ。庄内で毛鉤を使う釣り時期は4月頃~だろうから、このことで季節や時期は判断できる…よく考えられた演出だ。 土田も貧しい野菜専業百姓の倅なので、庄内と越後の違いがあったとしても雪国の百姓にとって春は一番貧しい時期であることが身に沁みて理解できた。 他の観客が涙しない場面で不覚にも涙してしまったが、あれから相当な年月が過ぎた。 確かな調査に基づいた映画はこんな場面すら心に焼きつくものだ。 雪国の百姓の冬の蓄えが尽きるのが2月~の春なのである。 コゴミの時期、45年近く前の土田家では学校に行く前、日の出とともに両親と信濃川河川敷の畑に行き、両親は畑仕事、子供はバケツを持たされて畑の周囲にあるコゴメを時間ギリギリまで採るのであった。 子供たちが学校に行っている間に母がコゴメを袋詰めにして夜に青果市場へ出荷する…収入のない時期の春の仕事であった。もちろん食卓も家計も火の車状態、それが2月~4月であった。

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すこし呆けた(開いた)コゴメ

すこし前の画像です。14日ほど前か…。今年の植物の成長は例年に比べて10日から2週間ほど早い感じだ。春の植物は積算温度で成長するものが多いので、百姓は様々な古くからの言い伝え「山の残雪が○○の形になったら△の種まきをしてよい」などで作業する。こういうことは長岡市内の農家でも町内が違うだけで言い伝えも違う。 これも秘伝なのだ。

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