月別アーカイブ: 2018年1月

雪下大根・雪大根・雪室大根・雪中大根

雪の中から掘り出した野菜は糖度が高く甘くて美味いのは有名です。畑の中から掘り出した大根と、降雪前に収獲してムシロなどで囲って雪の下で保存した大根は、鮮度の違いはあっても殆ど同じ糖度と美味しさなので変わりはありません。長岡では室に保存した野菜を『囲い大根』など『囲い』という文字がつきます。

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地域や時代、そして売る人によって名前を考えて店頭に並びます。我家では14年前から地元スーパーのインショップコーナーに「雪下大根」として出荷していましたが、我家で4年前に発見した大正時代の売掛帳に『雪大根』の記録があることから、昔からの呼び方である「雪大根」として出荷することにしました。「雪下大根」としていたのは新潟県十日町の「雪下にんじん」が既に有名だったことからです。

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越後長岡では昔から「雪大根」と呼ばれていました。雪の湿度と温度が大根・ネギ・人参・白菜・キャベツなど、野菜の鮮度を保ってくれます。大根の首部分を切って水を与えると葉が成長しますので、生きているという証拠です。温度湿度を雪と同じ状態にすれば冷蔵コンテナの中で保存しても雪中野菜と同じ美味しさになるはずです。それと、雪の中の野菜が甘くて美味しいのをネズミが知っているので、保存場所が悪かったり畑の中であるとネズミにかじられることも度々あります。

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江戸時代から野菜栽培の収益で生計を立てていた中島地区の百姓は、雪の下に保存していた野菜を、決まった日に行われる5・10の市(ごとおのいち)などで売って冬場の貴重な収入源としていました。

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一気に積もる雪の場合は地上部に出た大根の青首部分は綺麗ですが、積雪の前に横殴りのアラレに吹き付けられてしまうと肌が傷ついて見た目が悪くなります。葉を切らずに保存するか、葉を落として保存するかは農家の経験によって違います。また、長い歴史を持つ農家ならば、その年の気候を予想した幾つかの保存方法を知っています。

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収獲時期や保存方法などの違いで名前が違うのか疑問があるので調査します。

耐病総太りです

見た目は汚いですが、根野菜は土付きのほうが鮮度が落ちないのです。12月上旬に収獲してムシロで囲って雪の下で保存すれば、3月の雪消えころまで美味しく食べることができます。

雪ウサギ

合併前の旧長岡市内は今シーズンの雪は、10cm程度降っては消えて…の繰り返しで有難い天候です。本格的積雪の前に庭木をバッサリ剪定したので南天の赤い実を探すのに時間がかかりました。

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元旦に俺が作った雪ウサギが翌日玄関先で完全に融けて耳の葉と目の実だけになっていたのですが、それを笑っていた妻が3日の夕方に新しい雪ウサギを作ってくれてました。この南天は祖父が植えたのか先祖が植えたのかわかりません。NHKの大河ドラマ『八重の桜』で「難が転じるように」と八重が、出陣する弟の服に南天の刺繍をしていましたが、武士の家には南天が植えられていたのでしょうか。40年ほど前に祖母は「乗り物酔いをしないように」と言って、南天の葉を口に一枚含んでバスに乗っていました。

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降雪直前の先月、思いつきで黒系の梨ナスを採種のためにバケツに入れて保管していましたが、洗浄しながら採種乾燥させましたが種が成熟しておらず廃棄しました。8月後半~9月上旬以降に着果したナスは採種できないということです。

初仕事は、ナスの採種から

年末・元旦と雪が降らず、曇りか雨という天気でしたが本日昼ころから牡丹雪になり気温も下がったので、初仕事は風呂場での採種作業にしました。10月、畑の後始末時に思いつきで採っておいた中島巾着2個を玄関の軒先に置いたまま腐敗させていました。丸3ヶ月経過して腐敗臭もありますが、成熟した種は腐っていません。長岡巾着ナス15年の歴史とは明らかに違う100年の歴史を伝える本物の種です。

ハエの蛆もいました。雨水は当たらない場所ですが、茄子自体の水分で2ヶ月程度は水溜りのようになっていました。昨年、鉄腕ダッシュで150年間泥水の中にあった瓜の種が発芽した…という内容に疑問を持ったが、今回のこの茄子の様子から見て素人判断はしないほうがよさそうだと判断。

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ビニールハウスに1つだけ成っていた賀茂ナスも追熟した様子。

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素手にて半割りにして確認。発芽能力は充分。

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水温30度ほどのシャワーでゴミや汚れを落とすが茄子の腐敗した特有のドブ悪臭がした。気温1桁の浴室でなかったら嗚咽していた。

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ザルの網目に擦り付けるように小さなゴミを落とす。

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同じ茄子の木から採った実でも1つ1つ性質が違う。同じ種実から採った種も1つ1つ性質が違うのが中島巾着。100年以上前に小川文四郎さんが長岡人に受け入れてもらうために、長岡に元々あった在来種と巾着ナスを交配させたといいます。その種しか現存していないために他の茄に比べて変質しやすいのです。「梨ナスは他の花粉がついてもそんげに変わらんろも、丸ナス(中島巾着)は他の花粉がつくとすぐ判る」と言われてきました。遺伝の法則が出るのでしょう。

元来、野菜のなかで茄は性質変化しやすい野菜であるという。それだけに伝統野菜を残していくには地域の歴史を知る者と伝統野菜に直接深く関わって来た者がそれを伝えなければならないはずなのだが…長岡は違う。

平成30年元日のナス畑は小雪

雪の土手でソリ遊びをする子供の姿が年々減っています。見渡してもソリで滑った跡はありません。この周辺の子供達は、この土手でスキーを覚えました。

平成29年7月に日本中で最も評判の高い新潟県内のホテルから突然「畑を見学させてくださいませんか?」と電話があり、この畑にシェフが来られました。中島巾着と梨ナスの説明をして少量ですがナスを持ってかえっていただきました。後日連絡があり「今まで使ってきた長岡巾着なすと中島巾着は全然違いました。本物の意味がわかりました。お客様に出したいのでまとめて送っていただけませんか。」と何回もリピートしていただきました。一流料理店で数多くの食材を使用し修行してきた料理人だからこそ食材は使えば判ってもらえる!のだと再認識しました。種の来歴と歴史が培ってきた本物の中島巾着だからこその評価がいただけたことに、この中島地域の先祖の苦労が認めてもらえたようでとても嬉しくなりました。

 

大晦日、昼1時のナス畑

大晦日に里芋の出荷調整で出た土を畑に戻してきました。一般道はまったく雪がないものの、土手から河川敷に降りると10cm程度の雪。軽ワンボックス4WDに土の入った肥料袋を載せて土手下に下りようとするも、車の底部が雪の吹き溜まりに乗り上げてしまったので。車を変えて誰も走っていない雪道を数百メートル無理矢理走破しました。

文字や言葉で伝わらないのが味と香りです。ネットやラジオで散見する長岡巾着ナスの情報を鵜呑みにしている方は、中島巾着100年の現場に来て、見て、感じてください。長岡巾着ナスと中島巾着を食べ比べることを避けている人は是非、我家にご連絡ください。本当の歴史と真実がご理解いただけるはずです。平成30年元旦