蒸かしナス

中島巾着の蒸かしナス。皮をむく理由は、皮に含まれるポリフェノールによる苦味成分が嫌いな事。皮の食感が不快であるため。もうひとつ重要な理由がある。加熱後の茶色に変色した見た目と、皮が硬くなるのは夜温が下がり始める盆過ぎには食感がとにかく不快。中島巾着はシワが深いので皮むきが大変であるが、味と肉質の緻密さは長岡巾着よりも上。丸味のある長岡巾着は皮むきが楽だが肉質は軟らかい。一番果ころの初期は軟らかめであるが中期・後期になるにしたがって肉質の緻密さが増してくる。このことを知らないブランド協会長と若き仲買人と野菜ソムリエたち…

皮をむいてから蒸かすのは見た目と苦味・食感から。

お盆過ぎればナスの実は硬く締まりはじめる。皮を剥かずに蒸かしたら長岡甚句の「盆だてがんにナスの皮の雑炊」の一節は長岡巾着ナスのことだという説は成り立たないですね…鈴木圭介会長さん?

画像は梨ナスを蒸かしたもの。

年寄りには梨ナスが喜ばれる。あっさり系の甘味で苦味はない。ナスと油は相性が良い。和風料理は素材の味を知ることができ、洋風料理は素材との相性を活かした味を知ることができる。

今日、関西の食通である接着剤で有名な大企業の社長Kさんと電話で中島巾着と梨ナスの話をしました。小学生が蓮根とチョコレートを使って創作料理を考えたとのこと、「食べたら旨かった」そうな。梨ナスというくらいなので果物の代わりにした料理が作れると思っていたら…さすが大阪の調理人!!先週22日、大阪に行った時に梨ナスのルーツである水茄をフルーツ仕立てにしたものを食べさせてくれました。何も知らずに、桃・スイカ・ナスのフルーツ仕立てを一皿にして食べたところ「まるでイチジクの砂糖漬けのような味」

普通の外食では味わうことができない視点を変えたナスの味わい。

梨ナスは水茄そのもの

新潟・佐渡は豪雨で50年に一度の雨とニュースで幾度もながれている。7月22日開催の大阪の茄子イベントフォーラムに招かれて2日間ナスの収獲をしなかったので豪雨の中、収獲作業。大阪出発前に追肥をしたのが雨で効いたために2日間で雑草が膝上まで繁茂していた。カラス対策の雑草もここまで伸びると刈り取りが必要。

雨具の中まで濡れてしまう豪雨。畝間は雑草の根張りのお陰で、足は沈み込まない。

この雑草のお陰でカラスからナスが守られているのです。

雨のお陰で水茄の子孫である梨ナスはツヤツヤ。皮も薄くて柔らか。豪雨でレンズがぼやけます。

カラスに折られたナスの樹。7月15日。畝間の草刈りをした翌日の被害。草刈りをしなければ良かったのに…でも後の祭り。 長岡まつりの準備が土手で始まると長岡市内の全てのカラスが信濃川土手に集合す。祭りが終わって観覧席撤去が完了するまで長岡市内のカラス達が「花火後のゴミ漁り」を覚えていて集まってきます。そのカラスがエサを求めてナス畑にやってくるのです。

数十羽が舞い降りて荒らした後。

再起不能のこんな風景は長岡祭りが盛大になればなるほど、茄子畑でカラスの祭りも盛大になっています。

コンテナ山盛り一杯。食害されていなければコンテナ3杯分以上のナスが採れていたはず。

7月15日前後は気温が高く、カラスにすれば高級フルーツやジュースを飲み食いしているようなもの。本当の梨ナスの被害が極端に多かった。美味しいのが判っているのか黒系梨ナスは被害が少ない。

泣くに泣けない、羽があったらカラスを追いかけて飛んでます。

この日と翌日、2日間かけて総延長距離にして4キロ分の釣り糸(テグス)を梨ナス畑に張り巡らした。直後からカラス達は隣の長谷川さんのナス畑を襲撃するようになったので、長谷川さんも同様の釣り糸対策をした。

 

トウナの収獲終了

これは白菜のトウナ

昔から採種栽培のひゅう菜の他に白菜の菜も出荷していますが、5月15日が最終収獲日となりました。

収獲最終日は毎年恒例の幼稚園児たちの菜の花摘みです。

今年も幼稚園児たちが菜の花摘みに来てくれました。この日のために花を咲かせることにしています。6代目の父親は「花を咲かせる前に刈れ」と言っていましたが、俺が思うに「幼い頃の体験は良いことも悪いことも大人になっても記憶に残るので出来る限り良いこと楽しいことを体験させたい」と思ってます。園児も先生も楽しんでいました。

信濃川生態系の頂点

何年もの間、カメラを用意する間もなく画像に残すことができなかったキツネをようやく記録することができました。

畑の草刈最中の日没直後、ハンマーナイフで草刈作業中に現れました。

エンジンの音など関係なく現れた柴犬より一回り大きなキツネ。体毛色は薄目です。10メートルほどまで近づいてきましたが、目を合わせると警戒します。なので横目で様子を見ながら機械のエンジンを掛けたままにしてトラックまで歩いて行ってカメラを用意してゆっくり戻りました。

水害でマルチが埋まってしまい4年以上放置せざるをえなかった畑なので草刈するとネズミの巣穴が沢山。

キツネの聴力は土中のネズミの場所を察知するといいます。しきりに耳と顔を一定方向に向けて、俺のことなど眼中にないようです。

一定の距離まで近付くとキツネは警戒してこちらを見てから草薮に移動します。これを何回か繰り返した。

カメラ片手にハンマーナイフで作業を継続していると、キツネは草薮と草刈り後の畑を行ったり来たりしていた。作業を中断してカメラを構えてキツネを注視して目が合った直後から俺を警戒するようになってしまった。その最後の一枚が三枚目画像。 草刈り作業を終えての帰路、ネコより一回り大きな色の濃いキツネがトラックの前を横切って行った。本日はキツネの活動が活発であったのか、個体数も増えたこともあってか幸運に恵まれた。信濃川の貴重な自然に出会えるのは、この地で百姓ができるからなのだと実感しました。必要以上に干渉しないことが自然を守ることに繋がります。

ナスの接木と自根の違い

今春のナス畑の片付け作業をした時の画像です。昨年、新潟市農業活性化研究センターの御厚意で土田系の中島巾着の高接苗・多段接苗を各15本頂きました。その根量の差を記録するための大切な一部資料です。

左から、中島巾着の自根。真中、中島巾着の台太郎の高接ぎ。中島巾着の多段接ぎ

病害の発生についての調査と最近の接木方法による抵抗性を調べるために新潟市から長岡市まで苗を届けていただいたものです。病害調査の結果は後日にします。

 

接木による根量の差は明らかです。

自根の中島巾着は片手で抜くことができますが、接木のものは両手で抜こうとしても大変で腰も肩腕関節も無理がかかるほどの力が必要でした。根量の違いがナスの実の形や味・硬軟に関係してくる事もわかりました。

 

中島の百姓の先人たちが何故、自根にこだわってきたかが、ようやくわかりました。第一に春の片付け作業が大変です。根量が少ないからこその食味があること。100年に渡る中島百姓の経験は自根だから活かせるものだということ。接木は実の成長が早い気がしますし、樹が暴れる傾向が強いこと、養分水分の吸収が良いために枝葉の処理に手間がかかります。ただし、病気に強いという最大の理由から接木も考慮する必要が出て来るかもしれません。接木の中島巾着を栽培するには何年も試験栽培をしてデータを記録しないと本来の中島巾着を食べることは難しいかもしれません。自根と接木は一長一短で何を優先するかで判断しなければいけない時期が来ると思います。しかし採種は性質維持の点から自根が絶対条件です。

毎日が早いです。

大阪へ行ってから一ヵ月半が経過。大阪へ行く前から何かと忙しく撮りためた画像がたまってしまいました。

4月。今年の春は若干寒い。

この時期の土の香りが大好きです。河川敷の土は生きている土の香りなのです。ホカホカ陽気に細かく耕運された畑を裸足でゆっくり歩くと足の裏から大地の源がフワッと伝わってきます。

信濃川の土手斜面が緩傾斜堤防になって植生変化してきましたが、ツクシも戻ってきました。

ツクシを摘んで食べる人も少なくなりました。一ヶ月も過ぎるとスギナに変わっています。子供の頃の遊びで、ツクシやスギナの袴部分を引き抜いて戻し、友達に「どの部分が取れているでしょーか?」とクイズを出していました。自然の遊びを教える親世代が少なくなっているのでしょう…今度、幼稚園児と小学生の授業で教えてみようと思います。

4月上旬、ひゅう菜(トウナ)が伸びる前の畑。

ひゅう菜の収獲も明日5月14日が最後になります。菜の花が咲き始めたので休み明けに幼稚園の園児達たちに毎年恒例になっている菜の花摘みをしてもらいます。その後、ハンマーナイフで刈り取ってトラクターで畑に打ち込みます。

除草剤を使わないニンニクと名鎌

畝長さ60メートル

除草剤を使わなければ草は伸び放題です。だから手作業で草取りをします。この手間を惜しんで除草剤を使ってもニンニクの値段は変わりません。生産者も消費者も安心な野菜を作るのが病気の辛さを知る百姓のつとめです。

草根と土が一緒に良く切れて、長い時間研がずに済む鎌を使います。夕日を背に頑張って草取り。

良い鎌で草取りするのは楽しいものです。本当に良い鎌というのはなかなか出会えません。試しに使ってから買うことができれば良いですが、それができないのが鎌です。腕の良い職人が打った鎌でも一丁一丁当たり外れがありますし高価です。長い年月色々と鎌を買って使ってきましたが、量産品で廉価で品質の安定した長切れする鎌はたった一つでした。豊稔という会社の黄色い柄の鎌です。これは10年位前に農協で試しに買った1本でしたが、切れるうえに長い時間使っても研ぎなおししなくて良い。石に当たっても刃こぼれしないうえに刃に粘りがある。こんな鎌は初めてだったのでマトメ買いしようとしたら売り切れ…もう入荷しないとの事でした。あれから長いこと色々買っていますが、あの名鎌と同等のものには出会えず、数回使っては放置している鎌が増えています。ダイヤモンド砥石は600番400番180番です。

ネットで調べましたが、10年前と見た目の似ている鎌が同社で販売されていましたが、昔のとは若干違うようです。今現在の鎌は表面に鋼がついている豊稔の鎌です。この会社は他社に比べて品質が安定してますが、やはり一丁一丁違いがあるのです。冶金学とは奥が深いです。

ニンニクの草取りは2日半掛かりで終わりました。サビ病の発生があるので防除をしなくてはなりません。父親が作ってきたニンニクなので品種は不明です。

長岡でのナス植え時期について

梨ナス・中島巾着ともに畑に定植する場合は5月20日以後にしましょう。ゴールデンウイーク中に畑に定植する場合は低温で枯らさないようにトンネルやアンドンなどで対策してください。 中島の百姓は昔から5月末~6月頭に定植しています。

定植早出しの低温障害を受け、苗を弱らせると盛期の樹勢にも関係してきます。巾着ナスを含めてナス全般に水は充分に与えましょう。「このナスは水を控える」と言っている古正寺地区の元稲作農家がテレビなどで言っていますが、これはナスの知識に乏しく間違いです。

トラクター不調で作業遅れ

2台あるトラクターが両方ともに不調で修理などで使えず、農作業が2~3週間大幅に遅れてます。そのためにブログ更新ができませんでした。機械整備は冬場にやっておくべきでした。

ヤンマー13馬力トラクターのアクセルレバーが固定不能に。

雪消えと同時に倉庫から出そうとしたら、手元のアクセルが戻ってしまうためにエンジン回転が維持できなくなりました。修理費の面から自分で修理しなくてはならずこれだけで3日掛かってしまいました。専門の道具がないと大変です。古い機種のためにプラスチック類の劣化で修理中に別箇所も壊れてしまうという、連鎖故障。

ミツビシトラクター20馬力のミッションオイル。

父親が新車で買った25年前のトラクター。父親が現役のときに整備していたと思ったら…何にもしていなかったようです。昨年秋からフットブレーキを踏むと異音がしていたのでオイル交換とオイルフィルター交換をすることにしました。フィルターは高価なのでネットで注文したら、なんと届くまで3週間近くトホホ…。注文後に時間と経費の差額に泣きました。カフェオレ色のうえに水が浸入していました。

機械整備をきちんとしていないと、一年の計画がダメになってしまう見本のような2017年です。安くて状態の良い中古トラクターがほしいところですが、近年、高額になっています。輸出業者が買い漁っているために中古農機具全体が少なく高価になっているとのこと。新聞には毎日大きな買取広告が出ています。あの広告は十ウン万円以上のはず…。稼ぎの少ない百姓には厳しい時代です。

毎日忙しく苗管理

2週間前の画像です。

大阪へ行く直前に播種した中島巾着と本当の梨ナスなどをセルポットから10.5センチのポットへ移植している画像です。昔から変わらない時期の播種移植によって性質維持ができることを知らない農家ばかりが長岡には増えました。ナスを1月や2月初めに播種してハウス栽培して「伝統野菜だ」などと自慢しているそんな無知な農家・人物ほど話上手でマスコミに取り上げられ、何も知らない若い世代が喜び飛びついています。裸の王様に「あの人は裸だ」と言うと逆に責められる変な時代が長岡の農業界に出来上がっています。嘆々

2粒播きするので、具合を見て1本にします。

128穴と72穴のセルポットを使い分けします。画像は128穴セルポットで発芽率が悪い種は128穴2粒播きにします。72穴の場合は発芽率が良い種であり稚苗育苗期間を長くとってポットへの移植時期を先延ばしにすることで繁忙期の移植調整としています。したがって収獲時期は多少ズレ込むことになります。夫婦2人で昔からの変わらぬ伝統を守り続けるには家族農業がいかに大切であるか、そして工夫が必要であることが解るかと思います。 今春、昔の農具を使って温床仕事を行ってみましたが、その大変さは近代農業の細かな道具一つ一つで簡略化と時間の節約に繋がっていることが納得できました。伝統野菜がどのようにして性質維持され守られてきたか?を知るには、時には昔の道具を使って仕事する必要があることに気付かされました。