トウナの収獲終了

これは白菜のトウナ

昔から採種栽培のひゅう菜の他に白菜の菜も出荷していますが、5月15日が最終収獲日となりました。

収獲最終日は毎年恒例の幼稚園児たちの菜の花摘みです。

今年も幼稚園児たちが菜の花摘みに来てくれました。この日のために花を咲かせることにしています。6代目の父親は「花を咲かせる前に刈れ」と言っていましたが、俺が思うに「幼い頃の体験は良いことも悪いことも大人になっても記憶に残るので出来る限り良いこと楽しいことを体験させたい」と思ってます。園児も先生も楽しんでいました。

信濃川生態系の頂点

何年もの間、カメラを用意する間もなく画像に残すことができなかったキツネをようやく記録することができました。

畑の草刈最中の日没直後、ハンマーナイフで草刈作業中に現れました。

エンジンの音など関係なく現れた柴犬より一回り大きなキツネ。体毛色は薄目です。10メートルほどまで近づいてきましたが、目を合わせると警戒します。なので横目で様子を見ながら機械のエンジンを掛けたままにしてトラックまで歩いて行ってカメラを用意してゆっくり戻りました。

水害でマルチが埋まってしまい4年以上放置せざるをえなかった畑なので草刈するとネズミの巣穴が沢山。

キツネの聴力は土中のネズミの場所を察知するといいます。しきりに耳と顔を一定方向に向けて、俺のことなど眼中にないようです。

一定の距離まで近付くとキツネは警戒してこちらを見てから草薮に移動します。これを何回か繰り返した。

カメラ片手にハンマーナイフで作業を継続していると、キツネは草薮と草刈り後の畑を行ったり来たりしていた。作業を中断してカメラを構えてキツネを注視して目が合った直後から俺を警戒するようになってしまった。その最後の一枚が三枚目画像。 草刈り作業を終えての帰路、ネコより一回り大きな色の濃いキツネがトラックの前を横切って行った。本日はキツネの活動が活発であったのか、個体数も増えたこともあってか幸運に恵まれた。信濃川の貴重な自然に出会えるのは、この地で百姓ができるからなのだと実感しました。必要以上に干渉しないことが自然を守ることに繋がります。

ナスの接木と自根の違い

今春のナス畑の片付け作業をした時の画像です。昨年、新潟市農業活性化研究センターの御厚意で土田系の中島巾着の高接苗・多段接苗を各15本頂きました。その根量の差を記録するための大切な一部資料です。

左から、中島巾着の自根。真中、中島巾着の台太郎の高接ぎ。中島巾着の多段接ぎ

病害の発生についての調査と最近の接木方法による抵抗性を調べるために新潟市から長岡市まで苗を届けていただいたものです。病害調査の結果は後日にします。

 

接木による根量の差は明らかです。

自根の中島巾着は片手で抜くことができますが、接木のものは両手で抜こうとしても大変で腰も肩腕関節も無理がかかるほどの力が必要でした。根量の違いがナスの実の形や味・硬軟に関係してくる事もわかりました。

 

中島の百姓の先人たちが何故、自根にこだわってきたかが、ようやくわかりました。第一に春の片付け作業が大変です。根量が少ないからこその食味があること。100年に渡る中島百姓の経験は自根だから活かせるものだということ。接木は実の成長が早い気がしますし、樹が暴れる傾向が強いこと、養分水分の吸収が良いために枝葉の処理に手間がかかります。ただし、病気に強いという最大の理由から接木も考慮する必要が出て来るかもしれません。接木の中島巾着を栽培するには何年も試験栽培をしてデータを記録しないと本来の中島巾着を食べることは難しいかもしれません。自根と接木は一長一短で何を優先するかで判断しなければいけない時期が来ると思います。しかし採種は性質維持の点から自根が絶対条件です。

毎日が早いです。

大阪へ行ってから一ヵ月半が経過。大阪へ行く前から何かと忙しく撮りためた画像がたまってしまいました。

4月。今年の春は若干寒い。

この時期の土の香りが大好きです。河川敷の土は生きている土の香りなのです。ホカホカ陽気に細かく耕運された畑を裸足でゆっくり歩くと足の裏から大地の源がフワッと伝わってきます。

信濃川の土手斜面が緩傾斜堤防になって植生変化してきましたが、ツクシも戻ってきました。

ツクシを摘んで食べる人も少なくなりました。一ヶ月も過ぎるとスギナに変わっています。子供の頃の遊びで、ツクシやスギナの袴部分を引き抜いて戻し、友達に「どの部分が取れているでしょーか?」とクイズを出していました。自然の遊びを教える親世代が少なくなっているのでしょう…今度、幼稚園児と小学生の授業で教えてみようと思います。

4月上旬、ひゅう菜(トウナ)が伸びる前の畑。

ひゅう菜の収獲も明日5月14日が最後になります。菜の花が咲き始めたので休み明けに幼稚園の園児達たちに毎年恒例になっている菜の花摘みをしてもらいます。その後、ハンマーナイフで刈り取ってトラクターで畑に打ち込みます。

除草剤を使わないニンニクと名鎌

畝長さ60メートル

除草剤を使わなければ草は伸び放題です。だから手作業で草取りをします。この手間を惜しんで除草剤を使ってもニンニクの値段は変わりません。生産者も消費者も安心な野菜を作るのが病気の辛さを知る百姓のつとめです。

草根と土が一緒に良く切れて、長い時間研がずに済む鎌を使います。夕日を背に頑張って草取り。

良い鎌で草取りするのは楽しいものです。本当に良い鎌というのはなかなか出会えません。試しに使ってから買うことができれば良いですが、それができないのが鎌です。腕の良い職人が打った鎌でも一丁一丁当たり外れがありますし高価です。長い年月色々と鎌を買って使ってきましたが、量産品で廉価で品質の安定した長切れする鎌はたった一つでした。豊稔という会社の黄色い柄の鎌です。これは10年位前に農協で試しに買った1本でしたが、切れるうえに長い時間使っても研ぎなおししなくて良い。石に当たっても刃こぼれしないうえに刃に粘りがある。こんな鎌は初めてだったのでマトメ買いしようとしたら売り切れ…もう入荷しないとの事でした。あれから長いこと色々買っていますが、あの名鎌と同等のものには出会えず、数回使っては放置している鎌が増えています。ダイヤモンド砥石は600番400番180番です。

ネットで調べましたが、10年前と見た目の似ている鎌が同社で販売されていましたが、昔のとは若干違うようです。今現在の鎌は表面に鋼がついている豊稔の鎌です。この会社は他社に比べて品質が安定してますが、やはり一丁一丁違いがあるのです。冶金学とは奥が深いです。

ニンニクの草取りは2日半掛かりで終わりました。サビ病の発生があるので防除をしなくてはなりません。父親が作ってきたニンニクなので品種は不明です。

長岡でのナス植え時期について

梨ナス・中島巾着ともに畑に定植する場合は5月20日以後にしましょう。ゴールデンウイーク中に畑に定植する場合は低温で枯らさないようにトンネルやアンドンなどで対策してください。 中島の百姓は昔から5月末~6月頭に定植しています。

定植早出しの低温障害を受け、苗を弱らせると盛期の樹勢にも関係してきます。巾着ナスを含めてナス全般に水は充分に与えましょう。「このナスは水を控える」と言っている古正寺地区の元稲作農家がテレビなどで言っていますが、これはナスの知識に乏しく間違いです。

トラクター不調で作業遅れ

2台あるトラクターが両方ともに不調で修理などで使えず、農作業が2~3週間大幅に遅れてます。そのためにブログ更新ができませんでした。機械整備は冬場にやっておくべきでした。

ヤンマー13馬力トラクターのアクセルレバーが固定不能に。

雪消えと同時に倉庫から出そうとしたら、手元のアクセルが戻ってしまうためにエンジン回転が維持できなくなりました。修理費の面から自分で修理しなくてはならずこれだけで3日掛かってしまいました。専門の道具がないと大変です。古い機種のためにプラスチック類の劣化で修理中に別箇所も壊れてしまうという、連鎖故障。

ミツビシトラクター20馬力のミッションオイル。

父親が新車で買った25年前のトラクター。父親が現役のときに整備していたと思ったら…何にもしていなかったようです。昨年秋からフットブレーキを踏むと異音がしていたのでオイル交換とオイルフィルター交換をすることにしました。フィルターは高価なのでネットで注文したら、なんと届くまで3週間近くトホホ…。注文後に時間と経費の差額に泣きました。カフェオレ色のうえに水が浸入していました。

機械整備をきちんとしていないと、一年の計画がダメになってしまう見本のような2017年です。安くて状態の良い中古トラクターがほしいところですが、近年、高額になっています。輸出業者が買い漁っているために中古農機具全体が少なく高価になっているとのこと。新聞には毎日大きな買取広告が出ています。あの広告は十ウン万円以上のはず…。稼ぎの少ない百姓には厳しい時代です。

毎日忙しく苗管理

2週間前の画像です。

大阪へ行く直前に播種した中島巾着と本当の梨ナスなどをセルポットから10.5センチのポットへ移植している画像です。昔から変わらない時期の播種移植によって性質維持ができることを知らない農家ばかりが長岡には増えました。ナスを1月や2月初めに播種してハウス栽培して「伝統野菜だ」などと自慢しているそんな無知な農家・人物ほど話上手でマスコミに取り上げられ、何も知らない若い世代が喜び飛びついています。裸の王様に「あの人は裸だ」と言うと逆に責められる変な時代が長岡の農業界に出来上がっています。嘆々

2粒播きするので、具合を見て1本にします。

128穴と72穴のセルポットを使い分けします。画像は128穴セルポットで発芽率が悪い種は128穴2粒播きにします。72穴の場合は発芽率が良い種であり稚苗育苗期間を長くとってポットへの移植時期を先延ばしにすることで繁忙期の移植調整としています。したがって収獲時期は多少ズレ込むことになります。夫婦2人で昔からの変わらぬ伝統を守り続けるには家族農業がいかに大切であるか、そして工夫が必要であることが解るかと思います。 今春、昔の農具を使って温床仕事を行ってみましたが、その大変さは近代農業の細かな道具一つ一つで簡略化と時間の節約に繋がっていることが納得できました。伝統野菜がどのようにして性質維持され守られてきたか?を知るには、時には昔の道具を使って仕事する必要があることに気付かされました。

糸瓜(いとうり)の種

長岡の糸瓜について6代目の父親は、大まかに4種に分けており、そのうち2種を良品として系統保存していました。

6代目の手書き封筒

細長形である糸瓜、平成18年採種。瓜の文字が爪と間違っている。

忙しかったのか薄皮がついている

俵型の糸瓜、平成18年採種。自家採種は歴史的に充分な知識の蓄積があって初めて成される事です。単に採種するのは誰でも出来ることですが、昔からの性質を受け継いでいる種を残すには世代を超えた知識経験の蓄積がなくてはできません。

父親達は前年度に採種した種から野菜を育てて「違いを発見したら種を戻す」ことをしてきました。「種を戻す」とは、違いのある前年の種を廃棄して数年前に採種した種まで遡って改めて播種することです。百姓が種の伝統を守るには1代2代では築けない土台と歴史があってのことなのです。

地元の種屋さんが百姓の畑を廻って野菜を見て食べることをしなくなり、サカタやタキイなどの大手種苗会社の単なる販売店になってしまい、昔からの自店の種を忘れてしまう時代になったのは、本当の百姓が減って農家が増えたためだと思います。俺は行政や青果市場に馬鹿にされても、親父達のような頑固な百姓として一生を全うするつもりです。

 

 

貝塚、泉州水茄を育む水

ナスは品種に関係なく、水と温度が必要な野菜。本当の梨ナスにも中島巾着にも水は不可欠です。長岡では信濃川河畔の土質により水分を補給していますが、乾燥期には樹勢が衰えて良いナスが獲れなくなります。

高い山を多く有する新潟県は雪が降ることもあり通年通して川水が豊かですが、大阪にはそのような山はありません。 貝塚地区の農家はハウス栽培でシーズン通して瑞々しく色艶の良い泉州水茄を生産しているのを画像で見てたので、どのように栽培地に水を供給しているのか興味がありました。

地区の農家が共同で管理している池

圃場から歩いて数分の場所に大きな池がある。地図で見るとこの地域には昔から多くの溜池が存在します。河川の水を利用したり井戸を掘って汲み上げて利用することはあまりないらしい。先の水門を開くと池の用水が流れる。

ゴミなどは流れていません

流れに沿ってそよそよと揺らぐ川藻が植生として存在している。用水としての水も綺麗である。

樋板で閉じて必要な水路だけに流す

都市の中での農業は住民の理解と協力のうえに成り立つのです。新潟県は何処も水が絶えることなく大量に流れていますが、大阪では水を大切に扱っているのが判りました。

温室の方向へ流れる用水、泉州水茄の命である。
温室内の泉州水茄の株元へ散水中

気温・樹勢・天気などを考え必要な分量を見極めて水を止める。その後に池の水門を閉じる。ムダがない。そして効率第一の都市農業である。点在する畑が住民の目を和ませ自然を感じさせてくれるかぎり農業に理解が得られるだろう。騒音から早朝の機械操作ができないこと、乾燥期の風のときに耕運作業ができない、住宅地での防除作業、それらを考えると温室栽培は理に適っている。雪が降らないので連棟ハウスでの効率的栽培も可能である。

雪国の長岡との差を感じたが、何かを得なければならない。