月別アーカイブ: 2016年9月

くうしん菜

くうしん菜は、サツマイモの蔓と同じ性質ですが、空洞があります。サツマイモもこの白い液体が出ます。サツマイモの液体はヤラピンという物質で便秘解消成分がふくまれているということですが、この空芯菜の成分は…おそらく同じと思います。

炒めた香りは、お茶葉を炒めたような香り…または畳のイ草を炒めた香りとでもいいましょうか…

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蔓の節から発根するのもサツマイモと同じ。

樹液に粘り気があるのはサツマイモと同じ。便秘症の人は食べてみるとよいかも。

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長岡人は新しい野菜になかなか手を出さないのです。

安納芋や紅はるかを長岡で一番最初に栽培したが、3年間というものなかなか売れませんでした。 ポップや説明をしてようやく売れるようになると、こぞって他の農家が大量に栽培を始めます。まいった現象です。稲作農家が野菜栽培をはじめたからでしょうか…人真似ばかりしていては自滅するだけです。

自家採取で200年?

長岡市中島地区の百姓は自家採取が基本であり、長岡市内で歴史ある種屋は中島の百姓から種を仕入れて販売していた。それは昭和の後半まで続いていた。種屋が認める中島の種ということである。種に自信のあった百姓は種屋に卸さなかったともいう。手間の割りに卸値が安かったうえに、自分の家宝を売るという行為が自分の首を絞めることになるからでした。大正時代の全国優良種苗店の本に、中島農家の種苗組合の名前が残っている。

野菜は栽培方法で性質が変わっていくことを忘れてはいけない。その性質が種に記憶されていく。伝統を崩すこと変えることは根底から消えてしまうことに繋がる。だからこそ嘘や間違いは許されない。

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200年までは行かないだろうが、巾着茄子よりも古い。

祖父もそうだったといいますが、父親は採種に関して一年中口うるさく言っていた。遺伝子という概念と教育が薄かった時代の経験は凄いものがあります。一度変わってしまった野菜の形質と性質は2度と元通りにはならない。昭和に入ってから失った野菜の遺伝子は数知れない。営利だけではない重きものがある。

土田家の夕顔は形が特有。封筒型が基本形であり、父親は種取用の夕顔の形にうるさかった。

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夕方に花が咲くというが、その傾向があるだけ。朝も昼も咲いている。俺は夕顔畑の匂いが苦手だ。

昨年、売る気にも収穫する気にもならない、地這いの夕顔を「売ってくれ」という仲買人がいたので「捨てるだけだから、タダで持って行け」と言った。高値が続いてたらしく1本400円近くで売ったらしい。3ヵ月後に代金をもらったが、あんな夕顔を平気で売るとは…。昨年は結局、夕顔は1本も出荷しなかった。クネ(立体栽培)しない夕顔は汚くて形も表皮の色も悪い。土田家のユウゴウ(夕顔)は肥料を控える。肥料を多く与えた色の濃い夕顔は香りが過ぎて匂いになり、苦味と灰汁っぽさが鼻につく。 夕顔は台木にするほど強健で吸肥力が強から多肥では悪い面が出る。

ナスと気温とナス漬

今年の夏は日中温度と夜間温度の落差が大きかった。今年の夏は夜温が低かったので例年よりも割れナスの発生時期が早かった。ナスの内部成長と表皮の成長差がこの時期から出ている。割れるようになればナス特有の旨みが溜まったといえる。割れるのは長期保存の漬物向きに変化してきている証。割れナスの辛子漬けは絶品の味と食感である。明治期に長岡で最初に巾着茄子を栽培した直系の子孫、小川さん宅のおばあちゃん(故人)直伝のレシピが我家に残っている。歴史の浅い漬物屋で漬物を購入するくらいなら自分で漬けた方が断然お得で美味しい。

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丸ナス(中島巾着茄子)は梨ナスに比べて割れる時期が若干遅い。現在は市場流通の規格があるので、割れたナスは収穫されずに廃棄処分がほとんどだが、明治大正時代の中島農家は大抵が貧しかったので、この割れナスを漬けて自家消費および販売していた。しかし、これがコリコリと歯ざわりが絶品なのである。土田家に直接ナスを買いに来るお客さんは、割れナスだけを注文するくらいである。都会のような消費地では入手が難しいので割れナスの価値は解らないだろう。いつか都会の人に100年続く本物の中島巾着の割れナス漬けを味わってもらいたい。

 

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そろそろツバメの姿も見かけなくなりました。あのスピードで飛びながら小さな虫を口ばしで捕まえるのには驚く。コウモリとツバメは観察していて飽きない。逃げられないように20倍ズームにて。

梨ナスと安心の証明

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トノサマカエル

カエルがいる畑は安心の証明です。9月3日の日付です。黒系ナシナスの畝です。

カエルの表皮は粘膜で覆われていますから農薬に敏感です。人間にしても消化器系に残留農薬は悪いです。カエルのいる畑は餌が豊富であり、安心の証明ということになります。食物連鎖ということから、カエルを餌にするヘビも住む畑となります。ヘビは畑ネズミや野ネズミも食べてくれます。農業は自然の循環の中心でなくてはなりません。動植物の環境維持を保つためには専門家や河川管理者(国・県)とも連携が必要になります。15年前に比べて役人の「自然保護意識の向上」が飛躍的に感じられました。

畑仕事に疲れたときに植物や生き物を観察します。絶滅危惧種に出合ったり、滅多に出会えない動物の自然の姿や生態観察ができるのが、信濃川河川敷の畑です。長岡市内の中心にあって、唯一昔と変わらない風景と生態系を有する貴重な場所を守り維持する役目も信濃川の百姓は持っています。

トラックの中には、双眼鏡・ルーペを常備しています。

台風と信濃川

昨日、午前中から信濃川両岸の畑の農機と資材の避難をしていました。洪水ですべてを流されてしまったら廃業するくらいの大打撃になります。資材撤収など夜中12:30までかかりました。本日明け方4時ころまでウトウトしながら携帯電話で信濃川のテレメーター水位を気にしていました。

午前8時には水防団待機水位を超えました。午前11時には右岸畑に冠水するまで50センチに迫りました。

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今年8月の水位約15.5メートル

夏の信濃川、川底は削られ、30年前より相当下がってしまったので、畑の浅井戸の水が出なくなった。

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本日午前10時過ぎ水位19.26メートル

信濃川の水との戦いと共生は中島農家の宿命です。平成23年の夜中の増水時には耕運機1台が水没し廃棄。トラクターも半水没し修理しましたが、一度水没した農機具は長く持ちません。昨年処分しました。

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国土交通省のテレメーター水位は頼りになります。

信濃川は流程が長く、流れ込む河川も多いうえに上流の川は標高があります。昔はダムや堰堤がなかったので、長岡市内は晴天であっても、長野や湯沢などの上流部で豪雨の場合は、長岡が晴天でありながら急速な増水と洪水が起きたそうです。 その犠牲になったのが祖父の妹でした。わずか1歳の子が信濃川の急な増水で亡くなってしまいました。信濃川の畑は中州なので高低差があります。下流部の低い場所に寝かされていたら急な増水には気付かない場合もあります。

似ています。青シソとエゴマ

似てはいますが、香りが違います。よく似ているけど品種が違うっていうのはよくあることです。ナスにしてもそうです。

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青しそ。大葉として薬味に利用する場合がほとんどでしょうか。青シソにも品種があるのか、葉裏が濃いものと薄いものがあります。

 

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妻が高血圧など、体に良いと言って今年播種しました。匂いとか香りとかはあまりしません。

雨で畑作業はできず。トラクターなどのシートを被せに行きましたが、トラクター用の幌シートが無い!体も心も疲れたので、午後から寝て曜日となった。

草との共生その2

畑に雑草を生やすと肥料を取られるとか、草の種が落ちると言われます。そのとおりですが、夏場に水を与える設備のない畑においては雑草によって、土中の水分蒸発を抑えることができます。きっちり仕事をする農家には究極の選択でしょう。 サトイモは肥料より水が重要な作物です。

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同じ地域にある、手入れの行き届いた農家の畑では水不足でサトイモが枯れかかっています。

長期にわたる天気を読むことはできません。水不足を補う方法を雑草で解決することもできるのです…草取りが大変ですが。

 

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我家のサトイモ畑。上記写真の畑と日にちは違いますが、草があるとなしでは、これだけサトイモの葉に違いが出ます。草刈直前の画像
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この画像はネギ畑ですが、どこの畑も今年は同じで、手入れしてある畑ほど乾燥し、ヒビ割れています。根が弱らないように雨を待って土寄せします。

一長一短ありますが、置かれた条件に合った栽培方法を発見するのも百姓の仕事であり、家業として生き残る責務かもしれません。

本日の仕事は中島巾着のうどん粉病防除の1回目。夕方より雨…防除したのにトホホ。来春の「とうな(ひゅう菜)」畑を耕運。白菜の移植畑の畝たて。 信濃川右岸畑にて、どこからか移動してきたキツネと遭遇。左岸のキツネとは別個体。尾の先が白く、左岸のキツネより体が小さかった。最近、右岸畑でパート従業員のニャン(猫)を見かけないので心配である。

雑草との共生その1

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通路を覆う草
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畝脇をレーキで通路中心に倒す
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両脇50メートルを30分で倒す
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バリバリ草刈まっ青さん。

風の谷のナウシカでは悪者扱いされていた腐界?の植物や虫が、実は毒素を浄化し守っていた…という話でした。人間の病気を治す薬も実は毒から作られるものが多いです。植物も虫も特性を知れは゛悪にはならないものが多いということかもしれません。本格的な草との共存はまだ7年目ですが、そのお陰か除草剤と農薬の使用量は父親の使用していた時の5分の1以下になっています。グラフや数字では見えませんが、体の負担も減っていると思いたいです。いつか必ず理解してくれるお客さんが増えてくれると思いながら草刈機の費用対効果を気にしています。

中秋の名月の下でナス畑の草刈。巨大芋虫は安心の証明

体が弱く、様々なアレルギーと難病を2つも抱えているとしたら、そして子供が何人もアトピーだったら…。 我家がそれです。 農業をしているなら、せめて自分と子供のために安全な野菜をたべさせたい…。農薬も除草剤も使わない方が良いのは当然ですが、それでは生活ができませんし、余計な仕事が増えてしまいます。農薬も除草剤もできるだけ、しかも極力減らす。雑草との共存。虫との共存。動物との共存。自然に生かされながら安全な野菜が栽培できる環境が信濃川河川敷の畑。

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午後7時前のナシナス畑。こんな遅くに草刈をしているのは我家だけです。長岡市内で草だらけの野菜畑は我家だけでしょう。生き物が多いのも我家の畑の特徴。

これだけやっていても、それを理解してくれる消費者はとても少ないのです。化学肥料・農薬たっぷり除草剤バッチリな畑で育った野菜を選んでしまうのが人の性。俺と子供が食べても安心な野菜は誰が食べても安心です。おんなじ野菜を売ってます。

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信濃川と水道タンクに中秋のおぼろ月。先祖も父母も早朝から遅い時間まで働き続けてきた。時代と人は変わっても、貧乏百姓の苦労と名月は変わっていない。

今年のナシナスの防除は2回目、うどん粉病の防除をした。大きなスズメ蛾の幼虫。芋虫を3匹発見したが、俺はコイツが大の苦手なのだ。小学生の頃に悪戯し過ぎて気持ち悪くなってしまったのだ。もうひとつの理由は、漫画家手塚治虫先生のマンガ「ザムザ復活」を読んだ印象が強すぎた。カフカの小説「変身」が元になったマンガのはずだ。

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ナシナスの木に長さ10センチ以上の芋虫が3匹も…ここまで大きくなるということは、殺虫剤(農薬)を使っていない証拠なんです。

ヘビは平気なのに派手な色の芋虫のモゴモゴ、ゴニョゴニョしたのが苦手である。コガネムシの幼虫やカブトムシの幼虫は平気なのに…。自分で自分が不思議である。

最上の巾着茄子の木

6代目の父親が病に倒れて畑仕事から離れたのが平成21年のことです。あれから我家伝来の野菜種採種は俺が受け継いでいます。それから現在までで最上級の木が1本育っていました。

初期から現在まで、この木につくナスの実は、典型的な中島巾着の形質がほぼ出続けているでのす。 周りの木は病気でダメになりましたが、この木だけ1本が残っていました。土田系統の④番で、あまり期待していなかったので意識して見ていませんでした。 8月半ばになってから観察していましたが殆ど丸い実がつかないので9月に入ってから急遽、採種を決断しました。気温の低下や時期的に採種の実を残すには遅いので、雨の中、簡易な囲いを施したわけです。

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