本物を知る人


久々に更新します。我家を含めて、中島地区の専業百姓は3軒です。もう一軒、代々野菜百姓をなさっておられる方がおられますが、定年帰農で自家消費生産の水田さんです。90歳以上になるまで現役で自家採種して頑張っておられたお父さんが他界されてからの帰農でした。

中島の百姓の基本は自家採種。大正時代には中島の百姓が組織した「種苗組合」も存在しており、市内の種屋が種を仕入れに来ていました。土田家に現存する大正・昭和の売り掛け帳は、長岡市唯一の野菜の歴史を物語る宝であると思う。その中には老舗の有名料亭・有名料理屋の名前が連なっている。中島巾着の中でも「重兵衛なす」と長岡大手通りの「五十の市(ごとおのいち)」で有名を馳せていた事実がある。

現代に於いて、「巾着ナス」とか「長岡巾着ナス」と呼ばれているナスの殆どは、丸味が強くて実が柔らかく扁平にも巾着にすらならない性質である。長岡野菜ブランド協会が中島巾着を元に丸いものを選抜していった結果である。もう元には戻らないほどに性質変化し、伝統とは遠くはなれた伝統破壊した巾着にならない巾着ナスの末路である。種屋が県外の採種業者に種取りさせているのではそれも当然である。

食べ比べてもらえば判るはずであるが、「本物の中島巾着」を知る料理人は少ない。「長岡巾着ナスを伝統野菜だ」と言い張って憚らない30代40代の創作料理人や仲買人が巾を利かせているのだから情けない。

今年7月中旬、「土田さんの茄は販売しているのですか?売っていただけるのであれば畑を見させてもらえませんか?」と女性から電話がありました。シェフ(料理人)と2人で来るということでした。中島巾着と梨ナスを畑で説明して中島巾着と長岡巾着ナスの違い・種屋の梨ナスと自家採種で作り続けてきた梨ナス2系統の違いを説明して、「食べ比べれば判ります」と言って畑のナスを持って帰ってもらいました。後日、シェフから電話で「今まで長岡の業者から買っていた長岡巾着ナスとは全然違いました。中島巾着と本当の梨ナスを送ってください。」とのことでした。野菜の味とは微妙なものですが、その違いを判断できる調理人はなかなかいません。本物を見分ける能力の高い一流のシェフと出会いました。

我家の中島巾着は、長岡で初めてこのナスを栽培した小川文四郎氏の子供さんが購入し続けていた。そして中島巾着の名前を全国に紹介した瀬古龍雄氏が唯一認めた本物の中島巾着である。

 

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